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問い合わせ対応を整理する / 2026年7月24日

社内問い合わせをAIで効率化|総務・情シスの負担を減らす

総務・情シスが忙しい原因は質問の多さより、同じ答えを毎回人が返していること。就業規則やIT手順書を根拠にAIが即答する仕組みを、よくある5問から今日始める3ステップで整理します。


総務・情シスが忙しい原因は「質問が多い」ことより、「同じ答えを毎回“人が”返していること」

「有休の申請方法は?」「経費の上限っていくら?」「VPNにつながらない」——総務や情シスには、同じ質問が手を替え品を替え、毎日のように寄せられます。ひとつ数分でも積み重なれば大きな時間で、本来の仕事は後回し。それでも「FAQを整える時間がない」まま、また同じ質問に答える——このループに心当たりのある会社は多いはずです。

忙しさの原因は「質問の多さ」よりも、「同じ答えを毎回“人が”返していること」にあります。答えの根拠(就業規則・経費規定・IT手順書)は社内にあるのだから、そこを見て即答する役目は、AIに任せられます。

この記事では、よくある質問にAIが社内文書を根拠に即答する仕組みを、無理なく作る3ステップを紹介します。いきなり全社システムを入れる必要はありません。まず“よくある5問”から今日始められます。

① なぜ同じ質問が繰り返し来るのか

「FAQを作ればいい」——分かってはいても片づかないのは、次のような構造があるからです。

答えが“探せない”:規程や手順書はあるのに、どこに何が書いてあるか分からない。だから人に聞くのが一番早い、となります。

答えが人に集中し、口頭で消える:ベテランが即答してしまうため記録が残らず、ナレッジとして蓄積されません。

根拠の文書が点在し、最新版が不明:PDF・Excel・紙・共有フォルダに散らばり、どれが今の規程か分からない。誤答の温床になります。

目指すのは「人が頑張ってFAQを書き続ける」ことではありません。まずよくある質問に、AIが最新の社内文書を根拠に即答する状態をつくる。ここが出発点です。

② 自分でやるなら:社内の問い合わせをAIに即答させる方法

まず棚卸し:繰り返される質問と“答えのありか”を集める(土台)

AIに任せる前提として、材料を用意します。ここはAIではなく、AIに答えさせるための土台づくりです。

やることねらい
よくある質問トップ20を書き出す総務・情シスに来る質問を、実際のメールやチャットから拾う
答えの根拠を1か所に集める就業規則・経費規定・IT手順書などをフォルダ1つに整理する
最新版に更新する古い規程が混ざると誤答のもと。今の版だけを残す

この“最新の社内文書”が、AIの回答の精度をそのまま決める材料になります。ここだけは手を抜かないのがコツです。

AIに答えさせる:代表的な3択

材料がそろったら、答えさせる先を選びます。ここが記事の主役です。

任せる先向いている状況使い方
社内特化のAIチャットボット(HiTTO / OfficeBot / PEP総務・人事・情シスへの定型質問が多い規程や手順書を学習し、Teams/Slack等で出典つきで即答。事前学習済みで初期構築が軽いものも
社内外を兼ねるFAQ/チャットボット(ChatPlus / Helpfeel社外の問い合わせ(CS)も一緒に減らしたいFAQ検索と自動回答。社内ヘルプデスクと顧客対応を同じ仕組みで。低コストから
まず手元のAIで小さく試す(ChatGPT / Claude / Gemini / Microsoft 365 Copilot / Notion AIまず0円〜低コストで効果を試したい社内文書を読ませて回答文を作る。よくある質問の“答え”づくりから。0円〜

※ ここで挙げるのは代表的な一例です。 これらのAIを必ず使わなければ解決できない、というわけではありません。すでに社内で使っているグループウェアやチャットのAI機能で十分なこともあります。特定のツールにこだわらず、自社に合うものを選んでください。

選び方の優先順位:

  1. まず手元のAIで“よくある5問”の答えを作る。 社内文書を読ませて回答文を用意し、共有ドキュメントに載せる。0円〜、今日できます。
  2. 質問が多い・繰り返すなら、社内特化チャットボットへ。 HiTTO/OfficeBot/PEP に文書を学習させ、チャットから即答できる形にする。
  3. 社外の問い合わせも多いなら、社内外を兼ねるツールを。 ChatPlus/Helpfeel で社内ヘルプデスクと顧客対応をまとめる。

鉄則は一つ。AIに答えさせる土台は「最新の社内文書」。回答には根拠(出典)を示す設定にし、古い規程は先に直す。根拠のない即答は、かえって混乱を生みます。

(各AI・ツールの機能・料金は変更になる場合があります。最新情報は各社の公式サイトでご確認ください。)

優先順位つきの3枚のカードで、社内問い合わせをAIに任せる選び方(①社内特化チャットボット ②社内外兼用のFAQ ③まず手元のAIで小さく)を示した図

問い合わせを減らす:3ステップ

ステップ1 よくある質問と根拠文書を集める → ステップ2 AIに社内文書を参照させて答えさせる → ステップ3 チャットから使えるようにして答えを育てる、を時系列で示した3ステップの流れ図

Step 1|よくある質問と根拠文書を集める(土台)

実際のメールやチャットから、繰り返し来る質問トップ20を書き出します。あわせて、その答えの根拠(就業規則・経費規定・IT手順書)を最新版でフォルダ1つに集約。ここはAIではなく、AIに答えさせるための材料づくりです。

Step 2|AIに社内文書を参照させて答えさせる

まずは手元のAIに文書を読ませ、「有休の申請手順を社員向けに3行で」といった回答文を作らせます。質問が多ければ、社内特化チャットボットに文書を学習させ、根拠(出典)つきで即答できるようにします。

Step 3|チャットから使えるようにして、答えを育てる

社員がふだん使うTeamsやSlack、社内ポータルから聞ける形にします。そして、AIが答えられなかった質問を記録し、根拠文書を足していく。使うほど賢くなり、人に来る質問が目に見えて減っていきます。

社内文書から回答文を作るプロンプト例(コピペ可):

あなたは総務のヘルプデスク担当です。以下の社内規程だけを根拠に、
社員からの質問にわかりやすく答えてください。規程に書かれていないことは
「規程に記載がないため担当者に確認してください」と答えてください。

・質問:有給休暇を取りたいときの申請手順は?
・根拠(就業規則の該当部分を貼る):〇〇〇

回答は社員向けに3〜5行で。最後に、根拠にした条文の番号を添えてください。

「根拠だけを使う」「なければ確認に回す」と最初に指示するのがコツです。AIが知ったかぶりで誤答するのを防げます。

なお、就業規則や手順書は機密情報です。外部のAIに入れるときは、社内の情報取り扱いルールを確認し、会社として許可されたAIやプラン(社内データを安全に扱えるもの)を使うこと。個人向けの無料AIに、そのまま機密文書を貼らない配慮を。

つまずきやすいポイントと回避策

「AIが古い規程で誤答する」 → 学習・参照させる文書を“今の版だけ”に絞る。改定したら差し替える運用をセットにする。

「答えの真偽が分からず、かえって不安」 → 回答に根拠(出典・条文番号)を必ず出す設定にする。人が検証できる状態を保ちます。

「曖昧な質問まで無理に答えてしまう」 → 「規程にない・判断が要る質問は担当者へ」とエスカレーション導線を用意。全部をAIで抱えないのが安全です。

③ 自走では越えにくい境界線

よくある質問への即答までは自力でできます。一方、次の領域は設計が必要です。

全社ナレッジの体系化と権限管理:部署ごとに見せてよい情報が違う、機密度で出し分ける——このあたりは、ナレッジ設計とアクセス権限の設計が要ります。

基幹システムと連動した“手続き”の自動化:「有休を実際に申請する」「経費を精算する」まで踏み込むなら、勤怠・経費システムとの連携設計が必要です。

個別判断が要る相談への対応:規程の例外運用や、人事・労務の込み入った相談は、AIではなく人が担う領域として線を引きます。

④ 今日からできる、最初の一歩

今日、30分だけ試してみてください。

総務・情シスに“よく来る質問トップ5”を書き出し、根拠になる社内文書を手元のAIに読ませて回答文を作り、まずは共有ドキュメント(社内Wikiやポータル)に載せてみる。

いきなりチャットボットを導入しなくても、この“よくある5問の答え”があるだけで、同じ質問はぐっと減ります。効果を感じたら、質問の多い分野からチャットボットに広げていけば十分です。

よくある質問への即答が回り始めたあと、全社のナレッジを体系立てたい・権限で出し分けたい・手続きの自動化まで進めたい、という段階になったら、その設計を一緒に考えることもできます。

本記事で紹介したHiTTO・OfficeBot・PEP・ChatPlus・Helpfeel・ChatGPT・Claude・Gemini・Microsoft 365 Copilot・Notion AI は、いずれも代表的な一例であり、特定のツールの利用を勧めるものではありません。機能・料金は変更になる場合があるため、導入前に各社の公式サイトで最新情報をご確認ください。